推理小説シャーロック•ホームズの作者として知られるアーサー•コナン•ドイル。


彼の死後70年経った2000年に驚く主張をする学者が出てきた。

(コナン•ドイルが亡くなったのは1930年)

コナン•ドイルは友人の記者ロビンソンを殺した。

文学研究者ディッキー•ニーリー

コナン•ドイルの作品「バスカヴィル家の猟犬」の疑問点から文学研究者が提起した疑惑だった。

そんなコナン•ドイル殺人容疑疑惑
をざっくりまとめました。

「バスカヴィル家の猟犬」

眼科医をやりながら文章を書き、新聞社へ投稿し出したのが作家デビューのきっかけになったコナン•ドイル。

後にシャーロック•ホームズ シリーズで脚光を浴びることになる。
(下賎な話だが有名になったコナン•ドイルの原稿料は初期の200倍になったらしい)

「バスカヴィル家の猟犬」はシャーロック•ホームズ シリーズの一つ。
バスカヴィル家に代々伝わる呪いを書いた小説で、バスカヴィル卿が巨大な犬に噛まれ殺される事件をホームズが犯人を明らかにするストーリーだ。

「バスカヴィル家の猟犬」には妙な点があった。そこに文学研究者が注目し始める。

奇妙だと言われた点

学者たちが主張する「バスカヴィル家の猟犬」奇妙な点は以下の通りだ。

  1. それまでのコナンドイルの書く文章と違う
  2. ホームズの登場キャラクターが以前と変わった
  3. コナン•ドイルが本に記録した内容(序文)が不可思議

1902年に第一刷発刊した「バスカヴィル家の猟犬」

序文を、
友人ロビンソンが急死した後にコナン•ドイルが直接内容を書き変えた。

この本は友人の話からヒントを得たが構成と内容全体は僕が書いた。友人は36歳の若さでこの世を去り悲しかった。

「バスカヴィル家の猟犬」序文

という文を序文へ書き加えた。

自身の作品を改めて自分が創作したと強調した点に文学研究者は、
「このような行動は彼が友人の殺害を隠すためだ」

と妄想。

学者は、「バスカヴィル家の猟犬」は盗作でありそれを隠すために話を提供したロビンソンを殺したと主張した。

「バスカヴィル家の猟犬」のモチーフになった伝説はロビンソンの故郷で昔から語られてきた伝説で、

ロビンソンは故郷に伝わる悪魔犬伝説をコナン•ドイルへ話した。

その話を、
ロビンソンの許可なく自分の名前で連載•出刊、発売後も彼に代価を支払わなかった。

「バスカヴィル家の猟犬」を連載する前のコナン•ドイルは新連載のネタにずいぶん悩んでいたという。

そんな時偶然友人の話しを聴いて、許可なく友人の話を作品として発表した。

自分が発表した作品が盗作と公になることを恐れたコナン•ドイルは友人を殺害した、というのが学者たちの主張だ。

殺害方法や根拠

殺害方法はコナン•ドイルが毒薬の知識に長けていたため毒殺ではないかかと研究者は言う。
(コナンドイルの作品には毒薬がよく登場する)

友人ロビンソン他殺根拠
  • ロビンソンは腸チフスで亡くなったと知らされたが病院に記録が無い。
  • 死亡直前の写真に病状が見られない。
  • 当時彼の周辺で腸チフスに伝染した人がいない。
  • 当時腸チフスで死亡した人は化粧して埋葬するのが慣例だったが化粧せず埋葬した。
  • 当時社会の様子からも腸チフスで亡くなった可能性は低い。

医学、薬物の知識が豊富にあったコナン•ドイルには隠蔽することも容易であったに違いないという考えだ。

共犯者


友人ロビンソン殺害には共犯者がいたという。
それはロビンソンの妻グラディス。
彼女はなんとコナン•ドイルの愛人だった。

当時のコナン•ドイルは盗作問題と不倫の醜聞が公になるのを恐れおり殺害の動機として十分だ、というのが学者の想像だ。

ロビンソンの妻グラディスは夫の葬儀に参加しないという謎の行動も見せた。

反論


コナン•ドイルのファンからはもちろん反論があった。


“学者たちは自分の本を売りたいだけ、大衆の関心を集めるためにでっち上げた”


“本を宣伝したかったんだろう”

英国民の声

論争は広がり、

検視すれば解決する
という話になったらしいが、
その後どうなったかわからない。

検視の承認が下りなかったのか、
歴史に名を残すコナン•ドイルを殺人犯にしないでおこうというはからいか、
ミステリーのままがいいだろうという話し合いがどこかで行われたのか…


真実はわかっていない。


あの学者の主張は間違ってました~という報告もないから何か理由があるのだろう。

(了)