2020年7月9日、ソウル市長•パク·ウォンスンが突然行方不明になり娘が「4、5時間前に父が遺言のような言葉を残して出掛けた、電話の電源が切れている」と警察に失踪届を出した。
2020年7月10日午前0時1分、ソウル城北区の人通りの少ない山中で死亡した状態で発見された。
憲政以来初めて現職ソウル市長が自殺した事件という点で、政界と韓国社会に大きな衝撃を与えた。
告別式はコロナ渦のため素朴に行うという基調の下ソウル市庁のホールで行われ、放送とオンラインで中継した。You Tubeやインターネット放送などを通じてオンラインで行い、オフライン参加者も民主党執行部やソウル市幹部ら約100人に制限された。
ソウル市オンライン焼香所で約100万人以上がオンライン献花をした。

◎韓国民と韓国政界が騒いだ ソウル市長事件をまとめてみました。
大規模な捜索
行方不明の届出直後、携帯電話が切れた地域を中心に、2つの警察機動隊や警察特攻隊、消防車10台ほどが投入された。
捜索人員を計773人(警察635人、消防138人)、ドローン6台、警察犬9頭が徹夜捜索をした。

失踪直後、パク·ウォンスンのYou Tubeチャンネルが非表示または削除され、インスタグラムのアカウントも非公開処理された。 アカウントをパク·ウォンスン本人が直接非公開に処理したのか、それとも管理する秘書陣が非公開に処理したのかは確認されていない。
失踪前の市長の様子
周辺の人々によると、失踪前日までもこれといった感情の起伏を見せずに普段どおりに職務を遂行していたという。
家を出る前、チョン·セギュン首相に、「体調が悪い」と言って昼食の約束を取り消し「大変だ」と話したという。
失踪日の午後に予定されていたキム·サヨル国家均衡発展委員長との面談も取り消した後、家族には「山に植え付けを整理しに行く。 行ってきて公表する」「12時ごろ公館に行く」と話し出掛けたという。
防犯カメラに最後の姿
7月9日午前にソウル市長公館から出て青色の帽子を深くかぶり、白いマスクを着用したまま、白いシャツの上に藍色のジャンパーを着てソウル市ブランド「I·SEOUL·U」の書かれたリュックサックを背中に担いで外出する姿が数カ所
の防犯カメラに映っていた。
報道によると、うつむいて早足で移動し、ある女性と出くわすと、急いで頭を下げる姿が目撃された。

遺書
ソウル市からパク·ウォンスン市長の遺書が公開され、事実上自殺と確定。公式に他殺容疑点はないという結論が出た。
公館を整理していた市役所職員が机から発見した。遺書は自殺の理由は明らかにしていない。
遺書の内容

皆様に申し訳ない
私の人生で共にいてくださったすべての方々に感謝する
ただ苦痛しか与えられなかった家族にすまない
火葬して両親の墓山に撒いてほしい
皆、さよなら
警察は他殺の疑い点はないと結論を下し、遺族の意思によって解剖なしに遺体を遺族に引き渡すことにした。
遺体発見後
パク·ウォンスン市長の遺体は現場で鑑識が行われた。 発見当時の所持品としてはペットボトル、本人名刺、筆記具、若干の金銭などがあり、所持品の中には遺書がなかったという。 また故人と遺族の名誉問題から、死因は公開しなかった。
救急隊員によると、帽子は木にかけられたという。
一部のマスコミはネクタイで首を締め窒息死したと報道したが、公式では明らかになっていない。 ウェルテル効果を防ぐため、自殺の方法などを詳しく明らかにしていない。

他殺説や陰謀説
事件初期には数多くの推測と他殺説などの陰謀説が飛び交った。
ネットコミュニティを中心に、自殺ではなく他殺という陰謀論が提起されたことがあったが、根拠が全くなく、パク·ウォンスン氏の遺族も関連陰謀論を法的問題として扱い解決するという考えを示した後、完全に消えた。
元は弁護士のパク•ウォンスン
1993年セクハラ事件の弁護人としてセクハラが不法であることを世間に知らしめたパク·ウォンスン前市長だが、皮肉なことに2020年7月8日、秘書から強制わいせつで告訴された。

セクハラ疑惑
ソウル市側は初め、セクハラ疑惑について「全くの事実無根だ」と否認した。 ただ関連事実に続けて確認されると「被訴事実を確認できなかった」という趣旨で退いた。
告訴人Aさんは、2017年からテレグラムを通じて多数のわいせつな写真を要求され、市長執務室内部の寝室で自分に身体接触をしたと供述した。 また、パク市長と交わしたメッセージの会話内容を証拠として提出しており、自分のほかにも被害者がいると話したことが分かった。
被告訴人の自殺により警察が捜査を終結したことから、告訴事件についての裁判所の判断を受けることができなくなった。
2020年12月29日、最終的に警察で「前市長セクハラ事件は公訴権なしとして不起訴処理、ソウル市セクハラ協力疑惑も不起訴処理する」と発表した。
側近らと対応について苦心した
複数のメディアによると、ジェンダー特別補佐官から被訴事実を聞き、自らセクハラ事実を認めたことが明らかになり、「この切り捨ては難しそうだ」とメールを返信していたことが明らかになった。
パク前市長は「セクハラ告発の件がマスコミに報道される場合、市長職を投げ出して対処する」と秘書室長と話し、「この波は自分では乗り越えることができない」「全て一人では手に負えない」という言葉を残し、連絡が途絶えた。
またある関係者は「警察庁を通じて大統領府に報告があったとみており、本人にもその事実が伝えられたとみている」と述べた。
普通の告訴状が受け付けられれば、警察や検察は告訴人を呼んで捜査を進めているが、パク前市長は与党大物であるだけに、いかなる通路であれ告訴の受付後の早い時間に知った可能性が高い。
前市長の側近は、「8日の夜間と9日、彼が死を選択するのではないか」などを念頭に置いて、前市長の所在と心情を尋ねたりもしたという。
死亡した犯罪者について「公訴権なし」で不起訴処分、捜査終結することは、死亡により処罰の実効性が消滅したためであり、司法機関において無罪を認めるものではない。

衝撃的な事実
2020年9月12日、事件の被害者がパク·ウォンスン市長に強姦されたという疑惑は公式的な事実と確認された。
2021年1月14日、裁判部はパク·ウォンスン前市長が下品な文を被害者の秘書へ送り、「匂いを嗅ぎたい」「体つきがいい」「写真を送ってほしい」「男について知らない」「男を知ってこそ嫁に行くことができる」「性行為を教える」とセクハラ文を送った事実を裁判所が明かした。
と性的関係の過程を相次いで話すなどセクハラ性文字を送った事実を認めた。
携帯電話データ捜査
決定的な証拠であるパク·ウォンスン氏の携帯電話捜査(データや情報内容洗い出し)を家族によって禁止され、捜査が難航。 その後、2020年12月9日に家族が提起した準抗告が裁判所で棄却され、2020年12月18日に携帯電話の捜査が再開され、2020年12月23日に完了したが、死亡経緯の捜査のみに限定された。
ところが、前市長の遺族らが死者名誉毀損罪でネット民に対する告訴意思を明らかにしたことで、容疑に関する捜査が進められることになった。
死者名誉毀損罪は、虚偽事実によってのみ成立するため、虚偽の有無を捜査することになる。
複雑な秘書Aさん
京畿新聞は被害者Aさんが前市長に送った手紙を入手、公開した。
手紙の内容から、被害者がパク前市長を恨む内容はなく、セクハラを受けたという当初の主張とは違って、前市長への想いが確認されている。

「4年間持続的な苦痛があって部署移動を要請した」が、「海外歴訪は一緒に行きたい」という二つの手紙の内容をどう受け止めればいいかと困り果てた、と明らかにした。
手紙内容公開で被害者側は実名がバレてしまい、これに対しAさんは無断で公開したことは人権侵害だと訴えた。
ソウル市
秘書室関係者は、被害者が部署の変更を要請したという主張に対し、当初は本人の希望で秘書室にいると述べ、その後「時間がかかるため(部署を)移す意思を示したのは事実だが、秘書室を出られなかった理由は後任が決まっていないため」と主張をした。
一方、被害者からの苦情要請や転補要請を数年間黙殺したという疑惑が持たれているソウル市の元·現職秘書官らは検察に告発された。
またソウル市関係者が告訴人に北朝鮮の「喜び組」のような役割を事前に要請していたことを明らかになった。
被害者女性Aさんの呼称
性犯罪告発者が被害者と呼ばれるのは当然だったが、パク市長の事件では、政界やメディアが「告訴人」「被害訴え人」「被害主張女性」などに変わり、過去のケースとは全く違う点だ。
批判派の反応
- 韓国女性民友会、性暴力相談所などの女性団体は、ソウル特別市長の葬儀に反対するという内容の声明を一斉に発表した。葬儀反対に賛成した国民の数は12万人以上になった。

- 国民党は現在最も強硬に批判の先頭に立っている政党の一つであり、党の核心政治家のアン・チョルス代表やのケン・ウンヒ院内代表や連日強硬な発言を続けてきた。 ケン·ウンヒ院内代表は「民主党は公私を明確に区分し、疑惑に対して究明して被害者と社会に責任をつくす姿を見せるべきだ」と主張した。
- 記者のノ•チョンテは「パク•ウォンスンが潔白なら、刑事手続きで容疑を争うべきだった、容疑が事実なら、罪の償いをしなければならなかった。そうでないまま死んでいるのは倫理的でもなく、法律家らしくもない」と批判した。
- 葬儀弔問論議もあった。 親フェミニズム的政党としてMe Tooを擁護した正義党は一部議員が弔問に行かないと述べた。 後日党内の一部議員たちの弔問拒否が批判され、これについて公式に謝罪した。
- 2020年12月24日、チョン·ヨンエ女性家族部長官候補者は人事聴聞会で、パク·ウォンスン市長事件は権力型性犯罪であり、不適切だという立場を表明した。
問題発言のアナウンサー降板
ソウルTBS TV番組の時事番組を進行するフリーアナウンサー、パク·チヒは番組放送途中、告訴人に対し「4年間一体何をしてきたのか、今になって突然告訴し世に出ることになったのか知りたい」という発言をし、ひんしゅくを買い降板された。
ネット民からの秘書Aさん身元暴き等
告訴人Aさんは、親与党陣営のコミュニティをはじめとする親与党ネット民から、個人情報の荒らし、脅迫、侮辱などの被害を受けている。
前市長の死亡を告訴人のせいにしたり、ネット上で誹謗するなど、全く関係のない人を個人情報を収集したり、議論となった。
ネットで拡散された元秘書と目された写真の女性は、秘書室に勤めたことのない他のソウル市役所職員で、現在虚偽事実などにより精神的苦痛を強いられているという。
故人を無罪だと主張する人々と有罪だと主張する人々が激しく対立しており、コミュニティの性向によって世論は分かれている。
パク前市長を批判する側のネット民は「お前もセクハラするのか」と嘲弄したり、前市長が生前の在任時代に発足した「I·SEOUL·U」になぞらえて「I·SMELL·U」と皮肉った。
擁護派の反応
- 7月14日にはパク·ウォンスンの甥と主張する人がSNSで「叔父は死で償ったが、あなたの主張が事実でなければあなたはどのように償うのか、なぜ4年間沈黙して故人の出棺の日を暴くのか」と告訴人を非難する書き込みをし論争を呼んだ。
- ユン·ジュンビョン民主党議員は、パク·ウォンスン市長が被害者を保護するために死んだのではないかと主張した。 民主党が従来の性的スキャンダル事件とは異なる態度を見せたり「被害者」を「訴える人」という用語を使い、議論を呼んだ。
- パク·ボムゲ、キム·ヨンミン、キム·テニョンら民主党議員は、パク·ウォンスン前市長を指して「清い方」「偉大な人」などの表現を使って前市長を追悼し、セクハラ告訴件には言及もなく、民主党がセクハラ疑惑については説明もせず無視して前市長だけを追悼し、告訴人は無視扱いしているのではないかと言われた。
- チョ·ヒヨン·ソウル市教育監も自身のSNSに追悼文を掲載し、「自分に厳しい方」などの発言をし、死を選択した理由がパク前市長の高い道徳性のためであるかのように主張した。
- ソ·ジヒョン水原地検城南支庁副部長検事は自身のSNSに「君のMeTooのせいで人が死んだのだから責任を負え」と書き込んだ。 「一言も口がきけなかった。呼吸すらままならなかった」と述べ、パニック障害を治すためにSNSを離れるという言葉を最後に、SNSを一時中断した。(この人はあらゆる種類の事件に暴言を吐くことで有名な人だ)
- チン·ヘウォン大邱地検副部長検事。平素から親交のあることで有名な女性検事であるチン·ヘウォンがSNSにパク·ウォンスン氏の肩を持つ書き込みをした。 「秘書と結婚したビル·ゲイツを性犯罪者にしてしまう神業」と話にならない比喩を挙げたりもした。(ビルゲイツは独身時代に独身秘書と結婚したのだから不倫市長と一緒にしないでほしい。)チン·ヘウォンはこれにとどまらず、再びギリシャ悲劇「ヒッポリトス」を出し、自分の立場を維持した。 女性弁護士協会はチン·ヘウォン検事を懲戒するよう検察に要請した。裁判所がパク·ウォンスン前ソウル市長のセクハラを一部認める判断を下したことに対し、チン·ヘウォン氏は「法曹界はナチス突撃隊水準に転落した」と批判した。
- 作家コン•ジヨン氏は、パク·ウォンスン氏が亡くなった翌日、涙が出るという言葉とともに「神様が寛大に抱いてくださるだろう」と発言した。 コン·ジヨン氏が発言した11日はパク前市長の死亡直後で、事件の内幕が明らかになっていない時点だったが事実が明らかになった後も依然として初期の立場を固守している。
セクハラ多数
ここ3年6ヵ月間、ソウル市役所と傘下機関(ソウル市本庁所有の公企業、ソウル特別市の自治区)
で1ヵ月に1度の割合で内部性暴力が発生していたことが確認された。2017年=6件、2018年=18件、2019年=8件、2020年上半期=10件と、計42件の性犯罪が起きた。
大統領との関係
文在寅大統領は「とても長い間縁を積んできたのにあまりにも残念で衝撃的だ」というメッセージを伝えた。

文在寅大統領とパク・ウォンスン前市長は、司法研修院12期の同期の関係で、民主社会のための弁護士会の会員として一緒に活動したことがある。
イ•スンシン将軍と重ね美化?

イ•スンシン将軍(1592年~1598年)の記録した『乱中日記』で「出張先で女性と数回寝た」という文章があり、それを親与党派のネット民が「出張先で女性と寝たイ•スンシンは尊敬されてはならない人物でしょうか」とセクハラを正当化するような発言をした。
『乱中日記』の時代の両班(ヤンバン)や官僚が出張先で女性と寝ることは珍しくなかったらしいが、『乱中日記』に出てくる女性は「女真」という表現だけで、この「女真」のこの部分に対する解釈は、意見がまちまちな状態だ。 ちなみに「イ•スンシン将軍が女性と寝た」という解釈は1935年に日本側から出たものらしい。

パク·ウォンスン市長が推進していた計画も不透明となった韓国ソウル市。
新しいソウル市長は、2021年4月の再·補欠選挙で選出する予定だ。
(以上)
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