女優オ·インヘさんは2011年に映画『隣人の犯罪』でデビューし芸能事務所と専属契約を結んだが、2017年契約満了後は独りでマネージメントし芸能活動してきた。

2020年9月14日午前5時ごろ、女優オ·インヘさんが仁川の自宅で意識を失った状態で発見された。 友人が発見し通報。応急処置を受けて病院に運ばれ、奇跡的に呼吸と脈拍を回復したというが意識を取り戻すことができず翌日息を引き取った。享年36歳だった。

2020年9月16日 警察は「国立科学捜査研究所での司法解剖の結果、圧迫痕についても調査、他殺の疑いはないという結果」と伝えた。 彼女の自宅周辺の防犯カメラ映像、出入り者証言確認調査の結果も他殺の疑いがないことが確認され、自殺で捜査が終結した。

亡くなる数日前に自身のYou Tubeチャンネルで明るく笑って動画をアップしたばかりでテレビ番組に出演してから1ヵ月も経っていない状況だった。

デビューしてから亡くなるまで
話題を作る天才のオ•インヘさん
騒動をまとめてみました。

映画祭でドレスが話題に


オ·インヘさんが名前を世に知らせたきっかけとなったのは、2011年の第16回釜山国際映画祭でパク·チョルス監督の映画に出演する女優として登場した時からだ。セクシーなドレスで注目を集めた。 映画祭で女優たちの露出多めドレスは当たり前だがその時のオ•インヘさんは特にインパクトがあった。

検索キーワード1位に


映画祭登場翌日の2011年10月7日、”オインヘ ドレス”が NAVER検索キーワード1位に上がり、登場2日後も午前までは検索順位10位圏内にいた。 この時期世界はスティーブジョブズ他界のことで皆ジョブズを悼んでいたが(10月6日)韓国ではオ•インヘさんのドレスがジョブズのニュースの検索キーワード順位を上回った。

ドレスに対する思い


オ·インヘさんのインタビューを見ると、少しでも関心を受けたくてこのような衣装を選んだようだ。 何でも出来ることをやって目につきたかったと話し、露出が多めになるようドレスをリメイクしたのも事実らしい。 
観客や記者が自分のドレスを見て、「堂々としてるわ」「かっこいい」と受け止めてもらえると思ったようだ。ところが、新人女優がそのようにしたことを大衆らは不快に感じた。 そこまでは考えつかなかった彼女。 「もしその日に戻れるならドレスを露出を控えめにする」と話した。
オ·インヘさんの話題ドレスの登場以後、映画祭のレッドカーペットで露出騒動が起きることが多くなった。

女優として


露出のあるドレスを着た甲斐があり認知度が増えて映画に、テレビドラマにもキャスティングされたが、演技の評判はいまひとつだった。

映画祭にパク·チョルス監督の作品『紅いバカンス黒のウェディング』『エクストリーム』と『マスタークラスの散歩~美夢』など3編に相次いでヒロインとして出演。不倫する役やセクシーな役ばかりだがヒットした。
演技力が足りないという指摘があったが、映画の中で出た美しい身体のおかげで、映画祭ドレスで刺激されたファンの期待には応えることができたようだ。

世間の反応は「脱いだだけじゃないか」という批判が出たが、いずれにせよ話題になったことだけは否めない。 以後の映画でもセクシーな場面のおかげでボディだけは好評だった。 オ•インヘをキャスティングしたパク・チョルス監督も”官能的な肉体から出ているセクシーさが本当にすばらしかった”などと褒めちぎった。

↑オ·インヘさんとパク·チョルス監督はスキャンダルの噂が立った。パク·チョルス監督はスキャンダルの噂について「役者をよく知ることは必要、監督と役者のスキャンダルは避けられない」と語る。

セクシーキャラ定着


セクシー路線のイメージが定着していたことをオ·インヘさんは「 露出が必要な役ばかり。同じような役はもういい。他のイメージのオファーが入ってこない」と率直に打ち明けた。”露出”女優としてでなく人々に記憶されたいと思ったようだ。


20代のころはセクシーな女優として、30代からは気さくなタレントさんのイメージで活躍、スキューバダイビングに挑戦したり、ベトナムで医療のボランティアも積極的にこなした。

You Tuberで活躍


2019年7月から本人が編集するYouTubeチャンネルを開設した。日常·ファッション·美容などの様々なコンテンツで動画をアップロードし、毎回視聴者からのコメントには積極的に自ら「いいね」を付けていた。


しかし最後にあげた動画は不可思議なところがありネット民の推測と考察が相次いだ。

48という数字にこだわり


You Tube 動画46回目をアップしたが、すぐ削除し、なぜか47をとばしタイトル48回をアップした。 しかも、48回と46回は共に同じ映像だった。なぜ47回の動画をあげなかったのか分かっていない。数字48にこだわりがあったんだろう。

You Tube動画45回目の4分8秒頃の字幕には「848484848484848484.早生まれ84」という字幕がある。これが視聴者には理解できず「何かこの数字に意味があるのか」と憶測を呼んだ。
この動画は新しいプロフィール写真撮影する様子を公開したもの。オ•インヘさんは1984年生まれで、生まれた年を強調したかったのだろうという解釈がもっと妥当ではあるが何か違和感のある字幕だ。この45回の動画は今も残っている。


数字「84」「48」にこだわりがあったことは間違いない。

48怪談と呼ばれた動画


最後の動画48回の48秒近くで1分間エラーが発生した。 


48話のこのレンダリングエラーがまるで櫛で自分の首を打つように見え(刃物を首にあてているように見えてしまう)、画面だけがおかしく、字幕と音は正常だという点で視聴者をぞっとさせた。自殺を暗示する故意的な編集に見えた。 過去このような映像ミスは一度もない。 

また、彼女の後ろに見える時計は8と6を指し、8×6=48という数字が出てくる。

48回目動画の1分31秒に聞こえる音声は、「私死ぬわ」と聞こえるという噂が立った。(実際に聴いたが確かにそんな感じもした)
故意にオ·インヘは該当映像をアップロードし、48時間後に死亡、わざと’自殺暗示’のために映像を作成したという噂がネット民に広がった。

しかしこれらの自殺暗示説は「こじつけ」という指摘が少なくない。 動画のレンダリングエラー発生は48秒でよく知られているが、正確には46秒だ。亡くなったのも正確には48時間後ではない。
「数字48にこじつけ怪談化し彼女を傷付けるな!」と怒るファンもいる。

しかしオ·インヘさんはこの動画の1週間前、車を処分したという。つまりこの動画を撮ったときどうするかを決めていたことが想像され彼女なりのメッセージが動画にあってもおかしくない。

死を選んだ理由は

オ·インヘさんが亡くなる前最後にSNSに投稿した文章があることが明らかになり、注目を集めた。
その文中には「お金より心が欲しいのに惨め」「私は彼の言ったこと信じない」「彼に見せてあげようと思う」(=死で復讐するわ) など交際中の男性への悲しい想いが綴られており自殺の原因は恋人と言われている。

You Tube動画は遺族の希望で残っている


オ·インヘさんの死後、You Tubeチャンネルの一部は削除されたが、多くの動画は追悼用に残すことを望むという遺族の考えで現在も残っている。

動画はオ·インヘさんの飼っていたかわいい猫もよく登場しファンを今も和ませてくれる。

亡くなる直前には自身のインスタグラムに「みんなよい週末を」というコメントとともに明るい表情で自撮り写真を残した。その投稿がファンをとても悲しませた。
数多くのファンは彼女の冥福を祈っている。

印象に残る彼女の最後は女優としての作戦だったと私は思いたい。


(了)