韓国で不朽の名曲「無条件」(2005年)の大ヒットでスター歌手になったパク·サンチョルは韓国を代表するトロット歌手だ。 彼は「トロット王子」とも表現される。

2020年8月、パク•サンチョルが2番目の妻との離婚訴訟を進めていることが分かりネット上で騒然となった。 韓国芸能ニュースでは「パク·サンチョルが前妻のAさんと離婚、2016年にBさんと婚姻届を出したが、2番目妻Bさんとも最近離婚訴訟中」と報じた。

2番目の妻が暴行致傷の疑いでパク•サンチョル氏を告訴したことが伝えられると、あのパク•サンチョルが妻を暴行したのかという疑惑に一時包まれたが…

「子どものために我慢していたが、家族のために離婚を決心」と話すパク•サンチョルさんの離婚騒動を週間誌風にまとめてみました。


ヒット曲連発後 Bさんと浮気


パク·サンチョル氏は1992年に最初の妻Aさんと結婚したが、2007年に13歳年下の女性Bさんと浮気、婚外子Cさんを出産した。 その後2014年にAさんと離婚し、Bさんとは2016年に婚姻届を提出した。娘Cさんを戸籍に入れた。 
パク·サンチョル氏はメディアのインタビューで、「過去の不倫については何も言葉が出ない、自分の過ちだ」と答えている。
Bさんは「すぐに離婚すると信じて会いました」と話す。

告訴の戦い


Bさんとパク•サンチョル氏2人は婚姻届から4カ月後に離婚訴状を提出した後、取り下げと訴訟を繰り返した。
毎回訴訟を起こしたのも、訴訟を取り下げたのもBさんだった。暴行や暴言などで刑事告訴も行われた。

2019年7月 暴行の疑い Bさんパク•サンチョル氏を告訴
2020年2月 暴行の疑い パク•サンチョル氏無罪 Bさん控訴
2019年8月 離婚訴訟
2019年9月 児童福祉法違反の疑い Bさんがパク•サンチョル氏告訴
2020年2月児童福祉法違反の疑い パク•サンチョル氏嫌疑なし Bさん裁定申請
2020年4月 追加暴行疑い Bさんがパクサンチョル氏を告訴
2020年2月 情報通信法違反の疑い パクサンチョル氏がBさんを告訴
2020年6月妻Bさん 情報通信法違反500万ウォン罰金刑
2020年8月 離婚訴訟

パク•サンチョル氏はBさんが提起したすべての容疑に対して無罪判決を受けた。 

【被害者はむしろ夫】


Bさんはテレビのインタビューで被害者を強く主張したが、被害者はパク•サンチョルさんの方だった。 妻Bからパク·サンチョルさんへの暴行で鼓膜が破裂する怪我を負ったりもした。
「彼女は私を叩き続けた。 私がずっと我慢してあげた。 その後遺症で今もたまにリズムが狂う時がある。 」とパク•サンチョルさんは打ち明けた。

妻Bさんはメンヘラ?


パク·サンチョル氏は「Bは子どもの母親であるため、Bに対するすべての言い分について合意しようと思った。 ところが何度もBの言葉が変わって向こうの弁護士もどうしようもない状態」と言ったほどだ。
「最初Bさん側から離婚をしようと訴訟を起こした時、本人が怖くなったのか訴訟を取り下げてしまった。 これまでにも3、4回合意離婚をしようと裁判所に連行した。 でも来なかった。 それで無効になった。 我慢に我慢し今回僕が訴訟を提起した」と述べた。

また「弁護士が訴訟中に養育費を送るなと言ったのでやめたが、子どもがやせすぎているのを見て心が痛くて100万ウォンずつ送った。 ところがお金が少ないとBは大騒ぎしていた」と言う。
法的な部分ではすべて無罪判決を受け、訴訟はほぼ終了した。 ただ養育権部分が残っている。 双方それぞれ子供は自分が育てたいと意見は分かれる。

判決文の一部


裁判所はパク·サンチョルの主張を採択した。 以下は2019年7月、パク·サンチョル暴行容疑に関する判決文の一部だ。 

“Bはパク•サンチョルに対して良くない感情を持っていた。 そのうえ、供述を重ねるごとに暴行の程度を拡大している。 Bさんが意図しない身体接触を暴行と申告した後、内容を誇張した可能性がある”(地方裁判所 審判決文中)

Bさん罰金刑に


Bさんがパク·サンチョルに暴言や脅迫メールを200件余り送ったことに対し、今年6月に200万ウォンの罰金刑が言い渡された。
Bさんは「悪口を送ったのは間違いだった。 しかし文字で悪口を言う以外にできることがなかった」とし「とても大変で悔しくて腹いせした」と釈明した。

パク•サンチョルさんの思い


パク·サンチョルさんはスポーツ新聞の電話インタビューで「むしろこのように世間に知られてすっきりした」と話す。

パク•サンチョルさんは素朴な幸せを望んでおり一日も早く子どもたちと一緒に団らんする日常を取り戻したい、大事なことはお金でも名誉でもない子供たちの幸せそのものだと語る。 家庭では平凡なお父さんと知られている。

優等生キャラでなく苦労人キャラで愛される


パク•サンチョルさんのしたことは不適切なことだが裁判で無罪を勝ちとり歌手活動は大きくは問題なく続けられそうだ。
なによりデビュー時から既婚者であったため彼のファンは離婚や再婚で一喜一憂しない。ネット民からも今は同情する声が多く、Bさんに対し腹立たしいというファンが多い。
韓国のメディアも彼の味方で騒動の件でパク•サンチョルが提供したメール内容は一切公開しなかった。また警察はパク·サンチョルの肩を持つことが多かったそうだ。 

パク•サンチョルさんは高校卒業後、歌手になるためのソウルへ行くが失敗。失敗後に帰郷、そして再びソウルへと挑戦してスターに成功したケースで、無名な時期も長く、大変な幼年期と青年期を送った苦労人だ。

パク•サンチョルさんの成功ストーリーは映画化された


2013年 映画「全国のど自慢」(イ·ジョンピル監督)。

主人公の美容師パク·ボンナムは「全国のど自慢」に出演、歌で妻を感動させる。 同時に、歌手の夢まで叶える話だ。
実際のパク•サンチョルさんもデビュー前は美容師をしており、テレビ番組「全国のど自慢」が誕生させた代表的なスターの一人だ。 

↑のど自慢大会で最優秀賞を受賞したとき。「のど自慢」は日本のNHK番組のパクりでは?というのは置いておく。^^;



デビュー前に江原道サムチョク市に自分の名前を掲げた「パク·サンチョルヘアアート」という美容院を構え、現在もその美容院は存在する。

(了)

パク•サンチョルさんの今後の活躍をお祈り申しあげます